UAEで重要なのは適応です

子宮筋腫に対するUAEは20年以上の歴史があり、評価も定まった治療法です。
方法は左右の子宮動脈から塞栓物質を流し込むだけ。きわめてsimpleです。
ただしsimple=easyというわけではありません。

大切なことは適応です。 おおまかに

症状のある子宮筋腫が治療の対象となる。 腹部のしこりも症状である。

1)あまりに巨大なものは摘出したほうがよい。(だいたいへその高さくらいまでなら適応。)

2)粘膜面に接する筋腫の場合、未産婦なら8cm、経産婦なら10cmくらいまでが安全。もちろんこれよりも大きなものでも適応にすることがある。粘膜面に接しているかどうかはMRIで容易にわかることが多い。

3)挙児希望の場合はUAEよりも核出術がよい。妊娠出産には筋腫は取ったほうがよい。ただし筋腫を取らなくても妊娠、出産している例はたくさんある。

子宮筋腫を指摘されて、「経過を見ましょう。」と言われている患者さんは多いと思いますが、UAEが選択肢にないと次にくる言葉は「そろそろ手術しましょう。そろそろ取りましょう。」なのです。

全国1位に

2016年5月26-28日に名古屋で日本IVR学会総会が開かれ参加してきました。
総会初日にUAEのシンポジウムが行われ講演してきました。私の講演内容はUAEセンターの運用と保険適応後の変化についてでした。私はUAEを開始したのが1998年ですでに18年も経過しておりのべ2700症例を行っていますので学問的にはかなりの部分が解決されており、UAEが実用、運用されていなくてはいけません。
学会開催中には設置されたスクリーンに2015年に実施された画像下治療の手技別全国集計の上位が掲示されます。
250例で今回も第1位でした。2位とは大きく差がありますが、学会集計に参加していない施設も少なくないため100例前後を行っている施設がありますが集計には載ってきません。

UAEの適応

症候性子宮筋腫に対するUAEは、左右の子宮動脈から塞栓物質を流し込むという極めてsimpleな手技であり、その適応が最も大切です。婦人科の教科書の一つであるWilliamsには明確に禁忌が記されています。この中には大きさに関する記載があります。

調布恵仁会クリニック-UAE症例は2700例に-

調布恵仁会クリニックが開院され最初の週に6名、次の週には7名のUAEを施行しました。
GW中にも7名のUAEが予定されており、しばらく週7名の予定が続きます。
5月26-28日は日本IVR学会総会が名古屋で行われ演者として出席予定のためこの週は5月24日のみUAE施術といたします。
本年は1月22例、2月26例、3月32例、4月28例を行い4か月で108例を実施、年間UAE300症例になるかもしれませんが、UAE年間300例は、すでに2004年の時点で経験しています。
では年間何例のUAEが可能なのか? もしUAEの手技だけを行い、私の思うがままのスケジュールを立てられたら、そして放射線防御が完璧ならば年間600-700例だと思います。現実的には患者さんを最初から最後まで見届けたいのでこの症例数は今後も経験することはないかもしれません。
経験したUAE症例数は2700例に達し、エンボスフィアを塞栓物質としたUAEは500症例を超えました。より安全、確実なUAE診療を提供いたします。

調布恵仁会クリニック



4月15日から調布恵仁会クリニックにてUAE診療をいたします。京王線柴崎駅から徒歩2分、甲州街道沿いに建つ4階建ての新しい病院です。 タイトルをクリックしてくださるとHPが表示されます。

調布keijinkaiクリニック

東京都内13位に

2014年4月から2015年3月までの子宮筋腫手術件数が178例で東京都内13位になりました。UAEも健康保険では手術に分類されます。 2015年は250例を行いましたので来年度はさらに順位が上がるかもしれません。数を競う事が目的ではありませんが、順位が上がることは励みにもなりますしモチベーションを高く持つことができます。 2015年の統計を取ってみたところ初診患者さんは396名でした。250症例のUAEを行ったのでUAE適応は63%と言うことになります。大まかに言えば初診患者さんの三人に一人は適応外です。UAEの手技は左右の子宮動脈に塞栓物質を流し込むだけと極めてシンプルですので治療成績を向上させるためには手技を洗練させる以上に適応が大切です。子宮筋腫の治療法は複数あるのでUAEはあくまで選択肢の一つです。適応が悪いと成績が悪くなりひいてはUAEが悪いと言うことになってしまいます。 タイトルをクリックすると東京都~全国の子宮筋腫の治療実績を見ることができます。

UAEの将来展望

今年のIVR学会総会でフランスから医師がやってきてフランスにおけるUAEの現状を話しました。年間およそ2400件のUAEが行われているそうです。日本の人口はフランスの2倍、フランスより数年遅れてUAEが始まりましたので日本は数年後にはフランスの倍の4800件が行われる計算になります。なぜフランスをモデルとするかというと日本と医療制度が似ているからです。アメリカはかなり違っているので参考になりません。関東の人口は4260万人で日本の30%以上が集中しています。つまりUAEも関東に集中することになります。単純計算で4800件の30%は1440件。年間関東地方では1440件となります。私は年間250件を行っていますので1440を250で割ると5.76つまり私が6人いれば関東のUAEはすべてこなせます。何のことはありませんね。手技だけなら250件はなんのことはありません。10年ほど前には手技だけならUAEのみで年間300件以上していました。それ以外の血管内治療も含めると360件余りを行っていました。術前の説明、手技の日取りの決定、カテ室の予約、術後日取りの決定、MRI枠の確保、患者さんの保険書類の記載、電子カルテの記載などほとんど全てを私が行っておりこちらの方が大変なのです。近い将来医療コーデイネーターが2,3人いて年間250例のUAEを行う術者が6人いるUAEセンターができればいいです。関東のUAEはすべてそこで行われればいいと思います。