最短の時間、最小の放射線被ばくで

2018年1月25例、2月24例を施行。3月は25例が予定されており年間300例のペースで順調に施術しております。塞栓物質のエンボスフィアは極めて優れた薬剤で血管に優しくゼラチンスポンジと比較して炎症性変化が少なく、かつ術後の痛みも少ないのですが、血流に乗ってゆっくりと流れていくために、どしても施術に時間がかかっていました。しかし、熟練することにより、最近では透視時間が10分を切るようになってきました。私のゼラチンスポンジでのUAEの平均透視時間は8.5分です。今週は7例をエンボスフィアで行い平均透視時間が9.86分でした。尚、経験したUAE症例数は3300例、うちエンボスフィアでのUAE症例は1104例になりました。

エンボスフィアを塞栓物質としたUAEの透視時間

2018年1月は26症例のUAEを施行しました。手技的には全例成功(子宮動脈が欠損している症例は除く)しており手技に要した透視時間は6分から23分で平均11.92分(11分55秒)でした。

明けましておめでとうございます。

調布恵仁会クリニックがオープンされて今年の4月でまる2年になります。
初年度2016年4/16-2017年3/31までに308症例、2017年1/1-2017年12/31までに302例と年間300例ペースでUAEを施行しています。初期成功率は100%でした。(統計的には子宮動脈の欠損がありますので100%にはなりませんが、要するに挿入できなくてあきらめた症例はありません。)手技に関しての大きな合併症なし。術後感染による子宮全摘なし。肺塞栓症なし。UAE後1週間での歩行障害、構音障害を1例に経験しましたが改善傾向でUAEとの因果関係は明らかでありませんでした。2018年もよろしくお願いいたします。

UAE後の妊娠・出産~最新のデータから~

http://pubs.rsna.org/doi/abs/10.1148/radiol.2017161495

UAE施行時の平均年齢35.9歳で妊娠率が40%というのはかなり驚異的な数字。

しかもUAE施行後ほぼ2年以内に妊娠しており、出産時の異常も多くない。

塞栓物質はPVAもしくはビーズ(エンボジーン;エンボスフィアと同じビーズと考えてよい。)で吸収されない塞栓物質が使用されている。(この論文では大部分がPVA)

挙児希望に配慮したUAEをpartial UFEと呼び控えめな塞栓となっている。
そうでないUAEをconventional UFEと呼んでいる。

partial UFEの妊娠率は46.3%、conventional UFEの妊娠率は37.7%。

透視時間の平均は8.5分とかなり早い。(これは私のゼラチンスポンジでのUAEの透視時間と同じ。論文では大部分がPVAが使用されているので早さは私と大差はない。エンボスフィアを塞栓物質として使用するとこの速さでやるのは困難。ただし不可能ではない。最近私は7分台で行うこともある。)

子宮腺筋症に対してUAEを行い、妊娠出産に

>>先生またお世話になります。
>>宜しくお願いします。
>>腺筋症の方の希望になれば幸いです。
>>5歳になりました。
...
9年前に私が葉山ハートセンター在職中にUAE を行った患者さんがひょっこり調布に来院しました。子宮腺筋症の患者さんでした。今回腺筋症が再発したとの事。診察室に入る前にカルテを見ているうちに思い出したのですが、当時の病院長であった心臓外科の須磨久善先生からのご紹介患者さんで、UAEを行い腺筋症症状が改善したのみならず念願の妊娠そして出産にこぎつけたのです。出産は確か42歳か43歳の時です。5歳になる坊やの写真も見せてくれました。(FBに出してもOKまでいただきました。)

お産は私が信頼する先生に頼みました。高齢出産、腺筋症合併、UAE後というハイリスク妊娠出産です。癒着胎盤、胎児胎盤位置異常などの異常が多くなる可能性が高くなることも含めてお願いしたのですが、お産を受け入れてくれた産科医はそれ以前に私のUAEを見学に来てくれた先生でもあります。余談ですが私のUAEを見学に来てくれたのはどちらかというと放射線科医よりも産婦人科医の方が多いのです。

私の外来を受診される患者さんはどういうわけかのんびりとした方が多く、もちろん仕事や育児も理解できますが、2か月先とか3か月先、極端になると来年とか、筋腫そのものが命にかかわらないのはわかりますが、、、。様子を見て小さくなることはまずないのに、、。まあ患者さんの意思を尊重してはいますが。

UAEの利点の一つに腹腔内操作がないため癒着を作りにくく、再度可能であるということが挙げられます。

この方は受診されて即決断ー翌週施行予定ーされたのですから、腕💪によりをかけてUAEをしなくては(笑)!

東京都内5位に

2015年4月から2016年3月までの全国集計で子宮筋腫治療件数が259件で、東京都内第5位になりました。全国では19位でした。UAE件数では全国第1位でした。カテーテルも外科的治療もそうですがある一定の確率で合併症が起きます。数をこなせばそれだけ合併症に遭遇する可能性は高くなってきます。
私は医師1年目に麻酔科を研修しました。この時、指導医のK先生は私に

「一定の確率で合併症が起きるから仕方ないと思うな。10万いや100万例やっても合併症を起こさないつもりでやれ。」

30年以上たった今でもこの言葉は脳裏に刻まれています。

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UAEの技術的成功率

UAEの技術的成功とは『左右の子宮動脈にカテ-テルを挿入し、塞栓物質を注入し得ること。』
と定義されています。
したがって100-200名に一人いるといわれている片側の子宮動脈欠損に遭遇した場合は、片側塞栓で終了するということになりますが、技術的には不成功になってしまいます。なんだかおかしいですね。また子宮動脈にカテーテルを挿入できたのはよいが子宮動脈の攣縮のため塞栓物質を入れることができなかった場合も技術的成功にはなりません。
また明らかに卵巣動脈から筋腫に栄養血管が来ているのに卵巣動脈を塞栓せずに両側の子宮動脈を塞栓すれば技術的に成功になりますが、筋腫は梗塞にならず症状は緩和しないこともあるわけです。
多くの症例をこなせば、子宮動脈の欠損にも遭遇し、技術的成功率は100%になりません。
また卵巣動脈塞栓が必要なケースは3-4%と言われていますのでUAEを100例経験しても卵巣動脈塞栓は3-4例しか経験しないことになります。
UAEを1000例経験すれば卵巣動脈塞栓は30-40例。UAEを3000例経験してやっと90-120例の卵巣動脈塞栓を経験するということになります。
そしてどこまで塞栓するのか?すなわちendpointといわれるさじ加減。教科書や論文にはendpointに関して書かれていますが、実際にはUAE後に造影MRIを撮って筋腫がきちんと梗塞になっていることを確認して、それが正しかったか間違っていたかがわかることなのです。筋腫の梗塞の程度が低ければさじ加減はあま過ぎるというわけです。つまりUAE後の造影MRIの所見をフィードバックして自分のさじ加減が良いのか悪いのかを勉強していくわけです。UAEの上達にはこの繰り返ししかありません。
UAEだけでなく手術も症例数が大事といわれる所以です。数は力なのです。
2014年にエンボスフィアという塞栓物質が保険適応になりUAEも保険でできるようになりました。
エンボスフィアでのUAEはやっと800例になったところです。