UAE後の妊娠

調布恵仁会クリニックでUAEを開始してから約8か月で2名の患者さんの妊娠報告を受けました。
UAE後に妊孕能がどのようになるのかはいまだにはっきりと分かっていません。
つまり妊娠しやすくなるのか、妊娠しにくくなるのか、変わらないのかがはっきりとわかっていません。ただ共通の認識として取れるものは取ったほうが良い。筋腫核出術を優先したほうが良いということです。実際の診療の場面では子供は欲しいがもう2人いるしできなくてもよい。まああと一人いてもいいかなという患者さんもいれば、子宮がなくなれば可能性は0になるのであくまで可能性を残したい、何としても欲しい、などと千差万別です。私は外来でこのあたりをしっかりと確認し適応を決めています。それからUAEの良いところ。それはUAE後3か月すれば妊娠してもよいということです。核出術の場合は多くが子宮の筋層を縫合しているのでしっかりとつくまで半年から1年の避妊期間を設けなくてはいけません。UAEの場合はこの必要はありません。UAE後1か月から妊娠してもよいと言っている医師もいるほどです。実際調布恵仁会クリニックでの妊娠例は半年以内と4か月以内でした。

ところで、妊娠希望者のUAEの場合は、妊娠に配慮したUAEを行っているのか?

の答えは Yes! です。

UAE医学公開講座と院内閲覧会

http://www.chofu-keijinkai.com/pdf/uae_shiminkouza2017.02.18.pdf

2016年のUAEは調布恵仁会クリニック(4月15日開院)として243例、府中恵仁会病院から通算すると328例を実施することができました。問題となるような合併症はありませんでした。感染による子宮全摘も0でした。UAE後の自然妊娠が1例でした。
1998年から通算すると2900症例を経験したことになります。塞栓物質はPVA,ゼラチンスポンジ、エンボスフィアすべてを経験しそれぞれのエンドポイントも体得。

2月18日(土曜)13:30から調布恵仁会クリニックにおいてUAE市民公開講座を行います。
講座終了後には院内閲覧会を開催し血管撮影室や病室を見学していただきます。


UAEの塞栓物質

UAEの塞栓物質にはPVA、ゼラチンスポンジ、エンボスフィアの3種類があります。どの塞栓物質を使用しても有効性は同じです。結局は塞栓物質の使い方次第、つまり術者の経験や技術に負うのです。私は1998年10月からUAEを開始、当初はPVAで行っていました。次にゼラチンスポンジに移行し2014年2月からはエンボスフィアが保険収載されたためエンボスフィアを主として使用しています。保険制度上、エンボスフィア以外は保健適応になりません。日本の保険制度に則り、普通に診療しているだけです。

恵仁会病院でのUAEが1000例になりました!

本日で府中恵仁会病院(2016年4月15日からは調布恵仁会)でのUAE症例が1000例になりました。手技による大きな合併症はなく、術後感染による子宮全摘は1例のみ(0.1%)、技術的に子宮動脈へのカテ-テル挿入が不可能であった例は0でした。
安全第一ということでは満足のいく結果でした。

UAEで重要なのは適応です

子宮筋腫に対するUAEは20年以上の歴史があり、評価も定まった治療法です。
方法は左右の子宮動脈から塞栓物質を流し込むだけ。きわめてsimpleです。
ただしsimple=easyというわけではありません。

大切なことは適応です。 おおまかに

症状のある子宮筋腫が治療の対象となる。 腹部のしこりも症状である。

1)あまりに巨大なものは摘出したほうがよい。(だいたいへその高さくらいまでなら適応。)

2)粘膜面に接する筋腫の場合、未産婦なら8cm、経産婦なら10cmくらいまでが安全。もちろんこれよりも大きなものでも適応にすることがある。粘膜面に接しているかどうかはMRIで容易にわかることが多い。

3)挙児希望の場合はUAEよりも核出術がよい。妊娠出産には筋腫は取ったほうがよい。ただし筋腫を取らなくても妊娠、出産している例はたくさんある。

子宮筋腫を指摘されて、「経過を見ましょう。」と言われている患者さんは多いと思いますが、UAEが選択肢にないと次にくる言葉は「そろそろ手術しましょう。そろそろ取りましょう。」なのです。

全国1位に

2016年5月26-28日に名古屋で日本IVR学会総会が開かれ参加してきました。
総会初日にUAEのシンポジウムが行われ講演してきました。私の講演内容はUAEセンターの運用と保険適応後の変化についてでした。私はUAEを開始したのが1998年ですでに18年も経過しておりのべ2700症例を行っていますので学問的にはかなりの部分が解決されており、UAEが実用、運用されていなくてはいけません。
学会開催中には設置されたスクリーンに2015年に実施された画像下治療の手技別全国集計の上位が掲示されます。
250例で今回も第1位でした。2位とは大きく差がありますが、学会集計に参加していない施設も少なくないため100例前後を行っている施設がありますが集計には載ってきません。

UAEの適応

症候性子宮筋腫に対するUAEは、左右の子宮動脈から塞栓物質を流し込むという極めてsimpleな手技であり、その適応が最も大切です。婦人科の教科書の一つであるWilliamsには明確に禁忌が記されています。この中には大きさに関する記載があります。