筋腫核出術後の妊娠率、再発率

PiscoらによるとUAE後の妊娠率が58%と報告されています。
では筋腫核出術後の妊娠率はどうであるか調べてみました。

http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5309-200.pdf

これによると開腹、腹腔鏡下のいずれも大差はなくおよそ50~60%でUAEと比較して遜色ありません。分娩率も大差はありません。

開腹した場合の癒着率は非常に高いことがわかります。腹腔鏡の場合は開腹よりは低いのですがそれでも少なくありません。UAEの場合はこの癒着がほとんどありません。

意外と高いのが筋腫核出術後の再発率です。開腹した場合は平均23%で、腹腔鏡下では30%に上ります。術後の経過観察期間が長くなるほど再発率は上昇するのですが、これらの報告での経過観察期間や再発の定義ははっきりしませんが、UAE後の再発が5年で10%(欧米では20%)であることからむしろUAEの方が再発率は低いかもしれません。

私が以前、将来UAEが非常に増えるだろうと予測したのはこの筋腫核出術後の再発率の高さです。特に腹腔鏡下では筋腫の取り残しが
あるのは必然で30%が再発するのであれば、再治療をする場合、癒着が問題となりある一定の割合で再治療にUAEが選択されると予測しているからです。

UAEを治療の選択肢と考えている方はぜひこの報告を読んで欲しいと思います。