第43回日本IVR学会総会(2)

学会2日目は特別企画で私が聴講したかったDr.Piscoの講演がありました。Dr.Piscoは多数のUAE症例だけではなく、前立腺肥大症に対する動脈塞栓術(PAE)も700例以上の経験をお持ちのパイオニアです。特別企画ではUAEではなくPAEについて講演されましたが、自分のセッションが終わると会場を出て行きました。前方席に座っていた私も後を追うようにして、質問しました。 質問内容 1.UAE後の妊娠率が約50%と高いが患者さんを選んでいるのか? 2.PAEでは何種類かの塞栓物質が使用されているが何がいいのか? の2点でした。 1.に関しては、症状のある筋腫を対象としているだけである。 2.何でもよい(エンボスフィアでもPVAでも、、) ということでした。私は子宮筋腫に対するUAEは2000例を経験しているが、先生の妊娠率の高さには驚いていると話すと、2000例という数にいささか驚き、私にメールアドレスをくれて、一度ポルトガルにいらっしゃいと言ってくれました。 本当は2200例以上ですが、少なめに言いました。

第43回日本IVR学会総会(1)

6月5日から7日まで奈良で開催された第43回日本IVR学会総会に参加してきました。本年度からいわゆるビーズと呼ばれる非吸収性球状塞栓物質が正式に認可され保険収載となったためビーズに関する話題が多く、実際にUAEに使用される塞栓物質でもあるためビーズの情報を極力得ることが参加目的の一つでした。もう一つはヨーロッパのIVR医で、多数のUAE後の妊娠、出産例を持っておりそれを論文にしているDr.Piscoの講演があり、直接UAEに関する質問をすることでした。

 6月5日は学会初日で午前中は内臓動脈瘤のセッションを聴講しました。巨大な脾動脈瘤の症例の他、腎動脈瘤の症例が議論されました。どの分野もそうですが、適応と治療戦略がもっとも大事です。今ではカテーテルやガイドワイヤーが発達していますし、塞栓物質、コイル、ステントもさまざまなものがあるので昔だったらお手上げの症例も血管内治療で治すことができます。戦略によって器具の使い分けが必要になってきますし、治療の限界、合併症、長期効果も知っていなくてはなりません。何より術者の技量が大きく関与します。

ランチョンセミナーではDCビーズを使用した肝細胞癌治療について、ワークショップは産科出血でこれは手技はUAEそのものであり治療対象が筋腫や腺筋症でなく大量出血に対してです。引き続き、一般講演ー「救急」、Dr.GoodwinによるSIRレクチャー Global Interventional Radiology、技術教育セミナー 『門脈圧亢進症』 スポンサードセッション AMPLAZER Vasculaar Plugと聴講しあっという間に夕方6時半になりました。