エンボスフィアによるUAE後の妊娠



日本では2014年2月からエンボスフィアが子宮筋腫の動脈塞栓術に保険適応となりましたが欧米ではすでに広く用いられていました。ではエンボスフィアによるUAE後の妊娠の状況はどうでしょうか。スペインからの報告がありますので紹介します。

 Pregnancy after uterine fibroid embolization: follow-up of 100 patients embolized using tris-acryl gelatin microspheres
Fertility and SterilityVolume 90, Issue 6, Pages 2356–2360, December 2008
100症例のUAE、うち57例が挙児希望。UAE後の妊娠は11症例。つまり19%の妊娠率ということになります。この論文によると40歳未満に限ると妊娠率は50%であり非常に高いということになります。早期流産の割合は27%、帝王切開率は50%。

 どういった塞栓の仕方をしているか興味があったのですが、妊娠した10例のうち8例が700-900μのサイズから塞栓していました。通常は500-700μからスタートするのですが、おそらく術者はマイルドな塞栓を考慮してやや大きめのサイズで塞栓したものと思われます。

挙児希望者にUAEは第一選択にはなりませんが、実際の臨床の現場ではそういかないことも少なくありません。 日本での状況はゼラチンスポンジでのUAEに慣れていたわけですが、新たにエンボスフィアという塞栓物質が使用できるわけで術者も選択肢の幅が広がったとpositiveに考えるべきと思います。